前立腺肥大症の治療・薬・手術「前立腺肥大症の症状・原因を知る」

今回は頻尿の原因の一つである【前立腺肥大症】についてお話いたします。

前立腺肥大症の症状

前立腺肥大症とは男性にだけある臓器(前立腺)が肥大してしまい、尿が出にくい状態になることを言います。

なぜ前立腺が肥大してしまうのでしょうか。

前立腺の肥大は加齢によってなるものです。

ほとんどの男性は思春期までに急激に大きくなり、45歳を過ぎたあたりからさらにすこしずつ肥大化し、80歳になると90%の方が肥大します。

ただ、肥大したからといって尿トラブルが起きるというわけではなく、2人に1人といった割合で発症すると言われています。

年齢を重ねるごとに前立生肥大症の可能性は増えて行く一方です。

また、前立腺肥大症になりやすい人の特徴として、野菜の摂取量が少なく、肉中心の食生活を送っている人もなりやすい傾向にあります。

メタボリックシンドローム、生活習慣病と診断された方は前立腺肥大症の可能性を視野に入れといたほうがよいかもしれません。

前立腺肥大症の症状1

前立腺肥大症の症状として以下のものが挙げられます。

  • 尿の勢いが弱い時がある
  • 残尿感がある
  • 寝ている間に何度もトイレに起きる
  • 尿の出はじめが遅れる
  • 尿のきれが悪い

前立腺肥大症になると尿道を圧迫したり、締めつけたりしてしまいます。

結果、血の巡りが悪くなり、膀胱や前立腺になにかしらのダメージが加わわり、排尿しずらくなったり、頻尿になったりします。

その状態を放置していると尿閉状態(※)になり、不完全排尿や腎臓不全などの合併症を起こす可能性が出てきます。

初期の段階で気づき、薬などで治療することが悪化防止につながります。

診療案内-疾病について|中村クリニック 泌尿器科

前立腺肥大症の症状2

先ほどの症状の他に

  • 排尿後2時間以内にもう一度トイレへいきたくなる
  • 尿を我慢するのが難しく漏らしてしまう

前立腺肥大症の多くは、膀胱に尿がたまり、出しにくいという方がほどんどですが、中には「尿が出過ぎる」といった症状もみられます。

こちらは尿道が締め付けられて起こるものではなく、前立腺が肥大することにより、膀胱の活動が高まり、過活動膀胱になっている状態です。

膀胱機能に障害があると、尿失禁(尿もれ)や睡眠時間に支障をきたし、生活の質が低下してしまいます。

誰にでも起こりうる症状ですので、恥ずかしがらず、泌尿科、または薬で早めに治しておくことをオススメします。

前立腺肥大症の治療

前立腺肥大症は「αブロッカー」という内服薬で治すことが可能です。
(※ただし、初期の段階に限ります)

前立腺の肥大が大きい場合には、手術による治療が必要になります。

▷αブロッカー

前立腺の肥大が原因で狭くなっている尿道をゆるめ、尿を通りやすくする働きがあります。

過活動膀胱も伴っている場合、このαブロッカーだけでなく、抗コリン薬を使用します。

▷抗コリン薬

膀胱の異常な収縮を抑える効果があります。

効果はあるのですが副作用(便秘,口の渇きなど)が強く出る場合があるので、近年では「ミラベグロン」という新しい薬が登場しています。

残尿量を検査しながら薬の量を増減しながら治療がすすみます。

また、メタボリックシンドロームや生活習慣病が原因で前立腺肥大症になってしまた場合は、食生活の改善、適度な運動を心がけ、便通を整えるところからスタートしていきます。お酒の飲み過ぎにも注意が必要です。

前立腺肥大症の手術

前立腺肥大症の症状が進むと前立腺を削りとる手術が必要になってきます。

▷手術内容

一般的には「経尿道的前立腺切除術(TUR-P)」が主流です。

参考:経尿道的前立腺切除術を受けられる方へ|東戸塚記念病院

手術自体は約1時間程度、約1週間入院する病院から入院する必要はなく、日帰り行える病院もあります。

尿道から内視鏡を挿入し、前立腺の中心部分だけを削り抜きます。

大きくなりすぎてしまった前立腺には適さず、削っている最中は出血します。手術の後は残らないというメリットがあります。

デメリットは手術の影響で炎症を起こしてしまう(尿道狭窄)場合があるので、実績がある技術の高い先生を選ぶようにしてください。

近年では医療が進み、レーザー治療などもあります。

きちんと治しておかないと前立腺結石、尿失禁、感染症などになる可能性が高いのでしっかりと治しましょう。

前立腺肥大症の薬・治療法

前立腺肥大症の治療に使われる薬は「αブロッカー」という内服薬が主流です。

参考:α遮断薬は、降圧剤や前立腺肥大のお薬です

▷主なαブロッカー

前立腺の肥大が原因で狭くなっている尿道をゆるめ、尿を通りやすくします。

タムスロシン(ハルナールD)

  • 尿ができにくい時に使用。
  • 排尿をスムーズにする効果。

α1A受容体を阻害することにより前立腺や尿道に作用します。

参考:タムスロシン:ハルナール

プラゾシン(ミニプレス)

  • 排尿をスムーズにする効果。
  • 血圧を下げる薬。

前立腺α1A,D受容体を遮断し、血管を広げ、排尿障害を改善させる。ただし、その結果血圧が下がります。

また、ノルアドレナリンの遊離には関与しなため頻脈は起こしにくいです。

参考:プラゾシン:ミニプレス

ナフトピジル(アビショット、フリバス)

  • 蓄尿障害に効果的。

前立腺肥大症は膀胱に尿をためておくことができません。この薬を使用することにより、膀胱に尿を溜めることのできる容量を増やすことができます。

α1D受容体に対してい選択的に阻害作用を示します。

参考:ナフトピジル:フリバス

ウラピジル(エブランチル)

  • 排尿をスムーズにする効果
  • 血圧を下げる作用
  • 血圧を保つことにより、脳卒中や心臓病などを防ぎます。

α1受容体遮断薬に分類される排尿障害治療薬、高血圧治療薬。

参考:ウラピジル:エブランチル

シロドシン(ユリーフ)

  • 排尿をスムーズにする効果

前立腺肥大症の治療薬の中でも、α受容体遮断薬と呼ばれる種類の医薬品になります。前立腺や尿道の筋肉の過剰な緊張を緩めることにより、尿道を広げます。

参考:シロドシン:ユリーフ

前立腺肥大症の薬・治療法

前立腺肥大症と過活動膀胱が起こっている場合はαブロッカーと共に、抗コリン薬を飲む必要があります。

▷主な抗コリン薬(膀胱の異常な収縮を抑える効果)

ソリフェナシン(ベシケア)

  • 膀胱の収縮を抑える効果

膀胱に尿をためておくことができる状態に戻す薬です。最も過活動膀胱の際に処方される薬です。

参考:ソリフェナシン:ベシケア

プロピべリン(バップフォー)

  • 膀胱の収縮を抑える効果
  • 尿失禁、頻尿治療に使用

過活動膀胱による頻尿に対して効果を表します。

アセチルコリン(神経伝達物質)は膀胱を収縮させる作用があります。

この働きを阻害する抗コリン薬は過活動膀胱の治療に効果的です。

参考:プロピベリン:バップフォー

トルテロジン(デトルシトール)

  • 膀胱の収縮を抑える効果
  • 尿失禁、頻尿治療に使用

むやみに膀胱が収縮するのを抑えることにより、強い尿意や尿漏れの治療に効果があります。

アセチルコリン(神経伝達物質)が関わる受容体は全身に存在します。

そのため無差別に抗コリン作用を示すと大きな副作用に繋がる可能性ある中で、トルテロジンはあらゆる臓器の中でも膀胱に対しての選択性が高い薬です。

参考:トルテロジン:デトルシトール

イミダフェナシン(ステーブラ,ウリトス)

  • 膀胱の収縮を抑える効果
  • 尿失禁、頻尿治療に使用

過活動膀胱による頻尿で困っている方には効果的な薬です。

膀胱の収縮を抑えることで頻尿を改善します。

他のものと比べて副作用は少なくなります。

参考:イミダフェナシン:ウリトス,ステーブラ

オキシブチニン(ポラキス)

  • 膀胱の収縮を抑える効果
  • 尿失禁、頻尿治療に使用

過活動膀胱の治療薬として開発された日本初のテープ剤になります。皮膚を通して体内に吸収され、膀胱に作用し、症状を改善させます。

下腹部、腰部、太もものいずれかに貼り、通常1日1回貼り替えます。(※皮膚症状が現れる場合があるので毎回貼る場所を変えてください)

閉尿のかたは使用できません。

参考:オキシブチニン:ポラキス

経尿道的前立腺切除術の危険性

前立腺肥大症を治療する手術「経尿道的前立腺切除術(TUR-P)」後に起こりうる4つの危険があります。

手術、手術後に耐えられる体力が必要になってくるため、高齢者の方は医師との相談が必要になります。

▷手術後に起こる身体のだるさ

下半身がだるくる症状が起こる可能性があります。(足がだるかったり、階段の上り下りがつらいなど。)

また、脇腹や背中にも痛みを感じることがあります。続くような場合は鎮痛剤を使用します。

▷前立腺に穴が開く

幹部(前立腺)を見やすいように手術中は特殊な水を流しています。

前立腺に穴が空いてしまうとこの水が体内に入り込んでしまう可能性があります。

その場合手術を中断する必要がります。

腕のいいお医者さん、病院を選ぶようにしましょう。

▷出血

前立腺は出血が起こりうる臓器です。

尿道から内視鏡を挿入し、前立腺を削るため血管から出血します。

削る部分が多い場合は、事前に本人の血液をとり、手術の際に輸血する「自己血輸血」が行なわれます。

手術後、血尿として出血する場合があります。

手術後10〜20日間は様子を見ましょう。

血尿予防のため水分をたっぷり摂る必要があります。

また、硬い椅子、自転車やバイクは出血の原因となりうるため約2ヶ月は控えましょう。

▷性行為

通常精子は尿道をとおり射精します。

手術後は膀胱の方に逆行する可能性があるため性生活は2ヶ月間控えましょう。

危険性はないものの、性生活のある方はこの状態を理解した上での手術が必要になります

前立腺肥大症のまとめ

  • 加齢が進むにつれ多くみられる症状
  • 男性特有の症状
  • 前立腺が大きくなる(肥大)することにより尿が出にくい状態になってしまう
  • 残尿感やトイレの回数が増える
  • 尿の勢いが弱まる、切れが悪くなる
  • 進行すると閉尿や膀胱結石になる可能性がある
  • 初期は薬で治すことができるが、進行が進むと手術が必要に成る

前立腺肥大症については以上となりますが、頻尿の原因は以下の様に様々あります。

頻尿の様々な原因

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